「結婚が決まっているのにモヤモヤする…これがマリッジブルー?」
「結婚後の生活を考えると不安になるのはマリッジブルーのせい?」
「最近パートナーの元気がなくて心配。もしかしてマリッジブルーなのかも!」
こんにちは!WEDDING bests編集部の上松です。
子育てでウエディングプロデューサー業は卒業しましたが、この記事を読んでくれるあなたの結婚式の助けになればと、専門家として最新のウエディング情報や業界の裏事情、そして結婚準備のお役立ち情報などをお伝えしていきます!
さて、今日は「マリッジブルー」についてのお話です。
「マリッジブルー」という言葉は、結婚を控えた人ならまず一度は耳にしたことがあると思いますが、具体的にはどんな状態のことを指すのかご存じでしょうか。
どれぐらいの人がマリッジブルーを経験するものなのか想像してみたことはありますか?
マリッジブルーの対策や解消方法ってあるのでしょうか?
今この記事を読んでくださっているあなたは、自分が今まさにマリッジブルーなのではないか、と考えておられる方かもしれませんね。あるいは、婚約相手がもしかしてマリッジブルーかもしれない、と心配しているパートナーの方かもしれません。
そんなあなたのために、この記事では、マリッジブルーの典型的な兆候、解消法や対策、そしてマリッジブルーとどのように付き合っていくべきなのかについて、幅広くお伝えしていこうと思います。
結婚を控えつつも不安を感じて悩んでいる方はもちろん、それを一番近くで支えているパートナーの方にも読んでいただきたい内容です。ぜひ最後までご覧くださいね。

WEDDING bests 編集部について

「一度だけの結婚式だからこそ、後悔をしてほしくない」そんな思いを胸に「満足でお得な結婚式」をサポートする「WEDDING bests」編集部。
ウェディングプロデューサーを始めとした業界のプロ・先輩花嫁が、あなたの悩みに寄り添うことを第一に考え、「このポイントを知っておかないと、きっと後悔するかも」という情報を客観的な視点から発信しています。
目次
マリッジブルーとは「結婚前に感じる不安な気持ち」
マリッジブルーについて考える前に、一般的にはどのような意味でとらえられているのか、少しおさらいしておきましょう。
「マリッジブルー」を辞書で引くと、以下のように書かれています。
「結婚前の不安・憂鬱な気持。また、その状態。ウェディングブルー。」(岩波書店、広辞苑第七版。)
「結婚直前の人にみられる抑鬱(よくうつ)や情緒不安定な状態。女性に多いとされる。ウエディングブルー。エンゲージブルー。」(三省堂、大辞林第三版。)
まれに「結婚後」の気分の落ち込みをマリッジブルーと呼ぶこともあるようですが、一般的には、辞書にあるように「結婚前」の不安定な気持ちのことを指します。
ただし最近の傾向として、欧米などでは「結婚式の準備に疲れて怒りっぽくなる」「すぐに感情的になる」「パートナーに対してイライラする」という状態は「マリッジブルー」とは呼びません。
このような心理状態は結婚前の緊張やストレスからくる「pre-wedding jitters」(プレウエディング・ジッターズ:結婚前のイライラ)であって、マリッジブルーとは異なるものとされるようです。
上の図のように、「結婚前のイライラ」が進行して軽いうつ状態になった場合、これを「マリッジブルー」と呼びます。

憂うつ、後悔、不眠…マリッジブルー7つのサイン
「マリッジブルーの症状と言っても、個人的な事情もいろいろあるし、人それぞれなんじゃない?」と思う方も多いでしょうね。
マリッジブルーは「精神的に不安定な状態」を指す漠然としたものですし、マリッジブルーになってしまった背景も人それぞれなので、その現れ方はもちろん千差万別だと思います。
それでも、マリッジブルーにはいくつか共通する「サイン」のようなものがあります。
私が多くのお客様にお会いする中で「これはもしかして…?」と感じた、マリッジブルーを思わせる代表的な兆候として、以下の7つを挙げてみました。
<心理的なサイン>
- (1)結婚のことを考えると憂うつになる
- (2)結婚を決めたことを後悔するときがある
- (3)パートナーを心から信頼できない気がする
- (4)パートナーを他の異性と比べたくなる/昔の恋人を思い出す
<身体的なサイン>
- (5)不安で眠れない/だるくて朝起きられない
- (6)食欲不振/過食
- (7)ふとした瞬間に涙が出る
(1)~(4)は結婚と直接関係する心理的なサインであり、「不安」「憂うつ」など心の状態を表すものです。それに対して(5)~(7)は主に身体的なサインで、「だるい」「食欲がない」などうつ状態の典型的な症状と言えます。
この二種類のサインとマリッジブルーの関係を図で表してみると、下のようになります。
このように、「心理的サイン」のグループ、「身体的サイン」のグループ両方にそれぞれいくつか思い当たる項目があれば、マリッジブルーの可能性があると言えるのではないでしょうか。
「パートナーの態度にイラっときて結婚をやめようかと思うこともあるけど、体はだるくないし食欲も普通!」という場合は、マリッジブルーとまでは言えない「結婚前のストレス・イライラ」だということだと思います。
逆に「結婚はしたいしパートナーのことも信頼しているんだけど、よく眠れないし体調も良くない」という場合は、結婚ではなく他の何かが原因なのかもしれません。身体的な不調が心に影響を及ぼし、結果的にマリッジブルーのような症状に陥ってしまう場合もあるので、持病など心当たりがある人は要注意です。
マリッジブルーは「変化に対する恐れ」!主な要因5つ
マリッジブルーの意味、そして多くの人に見られるマリッジブルーの典型的な兆候について、おおよそのことがお分かりいただけたと思います。
では、マリッジブルーはどうして起こるのでしょうか。
マリッジブルーになってしまう原因についても、厳密に言えばもちろん人それぞれではありますが、根本的には「結婚がもたらす大きな変化を恐れる気持ち」であるということができると思います。
そしてそのほとんどが、大きく分けて以下の5つのカテゴリーに分類されるのではないでしょうか。
- (1)「自分」に関する不安
- (2)「パートナー」に対する不満・失望感
- (3)「家族・親族、友人」など第三者との人間関係の悩み
- (4)「環境」が変化することへの不安
- (5)「経済的」な不安・悩み
以下では、マリッジブルーの要因として考えられることをすっきりと理解するために、一つひとつのカテゴリーについて順に見ていきたいと思います。
(1)「自分」に関する不安
- きちんとした家庭を築く自信がない
- 家庭と仕事を両立できるかどうか不安
- 結婚したら自由がなくなってしまうかもしれない
など、これまでとは違った人生を送らなければならない自分自身に対しての不安です。
結婚の準備が進むにつれて自分の責任や義務などがだんだんはっきりしてくると、「今までの生活や考え方を変えなければいけないのでは」という思いが大きくなる人は多いと思います。それを負担に感じたり不安に思ったりすることが、マリッジブルーの引き金になってしまうことがあります。
(2)「パートナー」に対する不満・失望感
- パートナーが期待したほど協力的でない
- パートナーの今まで知らなかった一面が見えてがっかりしている
- パートナーとの価値観の違いが出てきて将来が不安
私の経験から、パートナーについてのこのような不満や失望感からマリッジブルーになってしまう方がもっとも多いのではないかと思います。
「結婚が決まってあらためてパートナーを見たら今までとは違う感情が生まれた」というのは、婚約を機に相手との関係性が少し変化し、同時に距離がより近くなったということで、ある意味では当然のことと言えます。
しかしその際に「期待が裏切られた」「こんなはずじゃなかった」というネガティブな気持ちになってしまうと、マリッジブルーの発端ともなるでしょう。
(3)「家族・親族、友人」など第三者との人間関係の悩み
- 相手の親とうまくいかない/両家の仲が良くない
- 結婚に関して家族や親族がいろいろ口出しをしてくる
- パートナーの交友関係になじめない
たいていの場合、結婚はふたりだけの問題ではなく、両方の家族や親族の存在を無視することはできません。また、これまでの自分の交友関係に加えてパートナーの交友関係や社会的立場なども関わってくるため、結婚を機に新たな人間関係を築いていく必要も出てくるでしょう。
家族や親族、友人など、「第三者」との人間関係の問題は、自分の努力だけでは解決することができない特殊要因です。それだけに当事者は、「自分が黙ってガマンすればいいのかも」と思ってしまいがちです。
このような出口のない不安や悩みが、マリッジブルーのきっかけになってしまうこともあります。
(4)「環境」が変化することへの不安
- 家族と離れて暮らすので心配
- 知らない土地に転居するので不安
- 友人たちと気軽に会えなくなってしまうのが嫌だ
結婚を機に、転居や退職・転職などで、自分を取り巻く環境ががらっと変わってしまうという人も少なくないでしょう。新しい環境が楽しみでワクワクする人ももちろんいますが、そうでない人にとっては、日常環境の変化は非常に大きなストレスになります。
しかも、環境の変化に対する不安のやっかいなところは、「知らない土地で友達ができなかったらどうしよう」「家族に何かあってもすぐには帰れない」など、事前にさまざまな「良くない」ことが具体的に想像できてしまうことです。
そうすると、まだ起こっていない将来のことを不安に思う気持ちに歯止めがかからなくなり、マリッジブルーにつながってしまうことがあります。
(5)「経済的」な不安・悩み
- 結婚の準備で出費が続いて不安
- ふたりで家庭を維持するだけの経済力がない気がする
- パートナーと自分の金銭感覚にズレがある
大っぴらに語られることはあまりないかもしれませんが、お金に関する不安・悩みは、結婚を控えた多くの人が直面する問題だと思います。
結婚式や新生活の準備など、結婚には何かと出費が伴います。必要なこととは言え、まとまったお金がどんどん出ていくのを見るのは決して楽しいものではありません。
また、貯蓄や収入など経済力に関する将来的な不安、パートナーとの金銭感覚の違いも、結婚後の生活を考えるうえでは大きな不安要素になります。
経済的な不安は、「気のせい・単なる思い込み」で済ませることができないという意味で、ごまかしようのないリアルなストレス要因です。ここでつまずいてマリッジブルーになってしまう、というケースは決して少なくないでしょう。

意外と多い!マリッジブルー経験者
マリッジブルーとは何か、どんな症状なのか、原因として何が考えられるのか、ということについて具体的なことがお分かりいただけたでしょうか。
次に気になるのが、やはり「どれぐらいの人がマリッジブルーを経験するの?」ということですよね。
私がウエディングプロデューサーとして働いていたあいだ、「じつは最近マリッジブルーで…」と打ち明けて下さるお客様は珍しくありませんでした。
また「マリッジブルー」とはっきり言わなくても、元気がなく疲れた様子だったり、打合せの途中で泣き出してしまったりする方もいらっしゃいました。
そんな経験から、マリッジブルーは決してめずらしいことではなく、結婚を控えた多くの人が経験するのではないか、と私は思っています。
具体的にはどれぐらいの人がマリッジブルーを経験するのか、大手ウエディング情報サイトが行ったアンケートの結果などをもとに見ていきたいと思います。
花嫁の8割がマリッジブルーを経験⁉
ゼクシィがユーザー(女性のみ)を対象に行ったアンケートによると、マリッジブルーを経験した人は76%にものぼるそうです(出典:結婚情報ゼクシィ|カップルのホンネ通信|Vol.51「今どきマリッジブルーの傾向と対策」)。
しかもアンケート対象の中にはまだ結婚式準備真っ最中という人も含まれており、「経験していない」と答えた人もこれからマリッジブルーになる可能性があります。
それを考慮すると、最終的にはマリッジブルー経験者は8割以上になるのではないか、とも分析されています。
芸能人や有名人の中にも、マリッジブルーを告白する人は珍しくありません。
神田うのさんは、1年という比較的長い婚約期間中マリッジブルーを経験したことを告白していますし(出典:神田うの「うの式幸せのつくり方」アスコム、2007年。)、安田美沙子さんも結婚式準備中マリッジブルーになったとブログで明かしました(出典:「はんなが癒し。」安田美紗子オフィシャルブログ、2015年3月13日。)。
最近では、ニック・ジョナスとの豪華な結婚式を2回も挙げたセレブ女優プリヤンカ・チョープラーも、「結婚が本当に怖くなった時期がある」と言っています(出典:Priyanka Chopra, If I could tell you just one thing )。
もちろんこれらの中には、実際はマリッジブルーとまでは行かず「結婚前のストレス・イライラ」だけだった人も含まれている可能性はあります。ただ、これだけ多くの人が結婚前に何らかのネガティブな感情を経験するものだ、ということは間違いないでしょう。
結婚式の準備期間がマリッジブルーのピーク!
いつ、どんなタイミングでマリッジブルーになるのか、というのももちろん人それぞれで、一概に言い切ることはできません。
ただし私の感覚としては、結婚が決まった(プロポーズされた)直後よりも、結婚式の準備期間中にマリッジブルーを感じる人が一番多いような気がします。言い換えると、結婚式の準備がマリッジブルーの最大の引き金である、ということでしょうか。
その後は、結婚式当日が近づくにつれて徐々におさまってくるという感じです。
また、マリッジブルーが続く期間は意外と短く、数日~1週間前後の人がもっとも多いという印象です。もちろん数週間に渡って不安定な状態が続いてしまう人もいらっしゃいますが、どちらかと言うと少数派です。
また、1か月以上マリッジブルーで悩んでいるという人はあまりいないように思います。
逆に言うと、長期にわたって不安な気持ちが続く場合には、単なるマリッジブルーでは済まされない何か重要な原因があるかもしれません。
そんな場合は、思い切って医療機関を受診するなど専門家に相談することを強くおすすめします。
花嫁だけじゃない…男性も半数がマリッジブルーに
男性のお客様から直接マリッジブルーを打ち明けられた経験は私にはありませんが、元同僚の男性スタッフなどから聞いたところによると、男性のマリッジブルーも決して珍しくはないようです。
先のゼクシィのアンケートでは、男性の48%がマリッジブルーを経験したという結果が出ています。
男性は自分の悩みや不安を他人に話すことには抵抗があるかもしれないので、なかなか実態は表には出てこないのですが、こういった匿名でのアンケートの結果はかなり信頼できると思います。
おもに女性の症状とされているマリッジブルーですが、男性もおよそ半数が経験するということは、男性にとっても意外と身近なことなのだと分かりますね。
マリッジブルーになってしまったら!対策について6つの提案
何度かお伝えしていることですが、ひとくちに「マリッジブルー」と言っても、気分の落ち込みや気力の減退は個人によって程度の差がありますし、身体的な負荷や生活への影響も千差万別です。
したがって「こうすればマリッジブルーは解消できる!!」と断言できる対処法などはあり得ません。
ただ、私がたくさんのお客様に接する中で「こんな風にすれば結婚に対する不安もやわらぐのでは?」と感じたことはいくつかあります。
そこで、不安に対処する方法として、私の経験もふまえて以下の6つのことをご提案したいと思います。

(1)いつもどおりの生活をキープする
マリッジブルーに限らず、一般的にうつ状態にある場合、毎日の生活のリズムをキープすることはもっとも基本的な対処法のひとつです。
結婚式や新生活の準備が忙しいことを理由に、毎日の習慣をおろそかにしたり、ずっと続けていた趣味を急にやめてしまったりしてはいないでしょうか。または、食事のタイミングや就寝・起床の時間が不規則になってはいませんか?
普段の暮らしのリズムを整えるということは、日常生活の中に「安定」をもたらしてくれます。
次に何をするべきか、明日はどんな一日になるのかある程度予測がつくので、心理状態を安定させるためにはもっとも重要なことだと思います。
(2)上手に気分転換をする
いつもどおり生活しつつも、適度な気分転換はやはり必要です。
特別な準備や労力が必要なく、思い立ったときに気軽に実行できる気分転換のオプションをいくつか持っておくといいですね。日常生活に支障のない程度の、ちょっとしたことでいいのです。
例えば、
- 買い物がてら近所を散歩する
- 不要品の整理や部屋の模様替えをする
- 好きだった映画や小説などをもう一度観たり読んだりする
- 以前から気になっていたお店に行ってみる
といったことならすぐにでも実行できるうえ、今まで気付かなかったプチ発見があったりするのでおすすめです。
逆に、まったく知らない土地を旅行する、経験したことのない新しいものごとに挑戦するなど、あまり激しく日常からかけはなれたことは避けた方が良いと思います。
(3)何が不安なのか書き出す
マリッジブルーを感じている人のなかには、「どうしてこんな気持ちになるのか自分でもよく分からない」というケースもあると思います。
そういう人はたいてい、悩みの原因となるものが複数あって互いに関連し合っているか、一つの不安が他の不安へと連鎖的に広がっていることが多いです。
先にもお伝えしましたが、マリッジブルーのきっかけとなる要因は、それぞれバラバラに存在するのではなく、互いに関係し重なり合っています。よく分からないモヤモヤな気持ちを曖昧にしておくと、漠然と不安な状態を長引かせる原因ともなります。
そんなときは、自分にとって何が不安なのか、とりあえず思いつくままに書き出してみることをおすすめします。
自分の気持ちをはっきりと言葉にすることで、ごちゃごちゃにからまっていた「不安」の輪郭が見えてくると思います。
(4)パートナーとふたりできちんと話し合う
マリッジブルーを解消する、という点では、これがもっとも重要かつ効果的と言っていいと思います。
私の経験からも、マリッジブルーを経験した方の多くが「結局マリッジブルーから救ってくれたのはパートナーだった」とおっしゃいます。
結婚についての不安な気持ちを隠そうとせずとにかくパートナーに伝えて、どうすれば良いのかきちんと話し合うことは、どんな場合でも必要です。まだパートナーに自分の悩みや不安を話せていない人は、これからでもパートナーに伝えることをぜひ考えて下さい。
悩みの原因によっては、すぐに答えや解決策が見つからないという場合もあるでしょう。
しかしたとえ結論が出なくても、問題解決に二人で一緒に努力する姿勢はとても重要です。
また、結婚後に同じような問題が起こったときにも、「あの時もふたりで乗り越えられた」という確かな自信にもなります。
(5)誰かに頼る・グチをこぼす
不安な気持ちを自分一人、あるいはパートナーと二人だけで抱え込んでしまわず、信頼できる第三者に頼るという方法も、精神的な支えとなります。
単なるグチをこぼす程度でも、誰かに吐き出すことができればそのぶん心は軽くなりますし、自分だけでは考えつかなかったアドバイスをもらうこともできるかもしれません。
相談の相手として最適なのは、信頼できる仲の良い友達、できれば先輩花嫁・花婿が良いと思います。多かれ少なかれきっとマリッジブルーを経験しているはずです。
直接の知り合いにはなかなかグチを言いにくいという場合は、自分たちのことをよく知らない他人に思いっきりホンネをぶちまけてしまうのも良いと思います!
また、グチを聞いてもらうだけではなく本格的なアドバイスがほしい、具体的な手助けをしてほしい、という場合は、迷わずどんどんその道のプロに頼りましょう。
例えば、結婚式の準備に関する不安は遠慮せずにプランナーやプロデューサーに相談し、どんどん頼ってOKです。
メンタルな面でサポートが欲しい場合は、心療内科や精神科のカウンセリングを受けるのもおすすめです。
(6)結婚式取りやめ/婚約解消のシミュレーションをする
ちょっとびっくりする提案かもしれませんが、結婚そのものを迷うようなことがある場合は、結婚式中止や婚約解消などについて、具体的にシミュレーションしてみてもいいと思います。
実際、打合せを進めていた結婚式が突然キャンセルになったという例は、多くはありませんが、私も何度か経験したことがあります。
不安な気持ちを押し隠して無理に結婚してこじれるよりも、今ならまだ間に合う、というぐらいの気持ちで、とりあえず結婚式の取りやめや、婚約解消の方法についてシミュレーションをしてみましょう。
結婚式取りやめや婚約解消に際しては、時期的にどうか、式場のキャンセル料などはどれぐらいか、家族・親族や友人にはどう知らせるか、勤務先への報告は必要かなどなど、シミュレーションすべきことはたくさんあります。
このような具体的なプロセスの確認は、最終手段を確保しておくという意味で心理的な安定につながることもありますので、試してみて下さい。
「パートナーがマリッジブルーかも?」と感じたらしてあげたいこと4つ
この記事をご覧の方の中には、「パートナーがマリッジブルーかもしれない」と感じておられる人もいらっしゃると思います。
結婚が決まってからパートナーの元気がない、最近は口数も少ないし何かおかしい…と感じたときはどうすればいいのでしょうか。
基本的には、前章でお伝えしたマリッジブルーになった場合のおすすめ対処法をパートナーが実践できるように手助けする、ということになります。
しかし最も大切なのは、「パートナーのマリッジブルーは自分の問題でもある」という当事者意識なのだと思います。
私がウエディングプロデューサーとして仕事をしていた頃、マリッジブルーになってしまったお客様を見て「パートナーの方がもっとこんな風に助けてあげたら…」ともどかしく思うことも少なくありませんでした。
この章では、そんな私の経験をもとに、マリッジブルーになった人に対して、パートナーとしてぜひしてあげて欲しいことを4点ほどピックアップしてお伝えしていきましょう。

(1)相談にとことん付き合う
パートナーがマリッジブルーになってしまったら、まずその「理由」が知りたくなるのは当然のことだと思います。
けれど、「なんでマリッジブルーになるの?理由はなに??」などと問いただすのは厳禁です。
すでに何度かお伝えしたように、マリッジブルーの原因となるものは複数あり互いに関連しあっているのが普通です。ですからマリッジブルーの人に「理由はなに?」と聞いても、はっきりと答えが返ってくることはないでしょう。
それ以上に、マリッジブルーになっている人を追い詰めたり、すぐに白黒つけるようにプレッシャーを与える、というのはパートナーとしてもっともやってはいけないことだと思います。
それよりも、まずパートナーが自分から話そうと思えるような雰囲気を作ること、そして相談をもちかけられたらとりあえず耳を傾けることが大切です。
相談されるとつい自分の意見を言いたくなることもあるでしょうが、そこはぐっとガマンして、まず相手の話を最後まで聞きましょう。
自分の都合で勝手に結論を急ぐのではなく、相手の気がすむまで時間をかけることで、パートナーに安心感を与えてあげましょう。
(2)悩み・不安を一緒に解決する努力をする
パートナーの不安の原因がだいたい分かってきたら、次にすべきことは「解決に向けて一緒に努力する」です。
ここで大事なのは「一緒に努力する」ということ。
もちろん、悩みが解消する方法をきちんと見つけることができればベストなのですが、場合によっては親族関係の悩みや経済的な問題など、すぐには解決策が見つけられないものや、ふたりだけではどうにもならない問題もあるのが現実です。
そんな場合でも、間接的にでも今の状況が改善する方法や、誰か他の人に頼ることで解決の糸口をつかむという選択肢もきっとあるはず。
パートナーの心を少しでも軽くするために、ふたりで少しずつ前に進む、という姿勢がとても大切です。
(3)離れて過ごす時間もつくってあげる
ふたりでずっと一緒にいると、考えることや話すことがどうしても結婚式や新生活のことばかりになってしまいがちです。
もちろん結婚に向けて具体的なことをふたりで詰めていく作業は大切です。でもマリッジブルーの人にとっては「決断を迫られている」「追い詰められている」と感じることもあり、ますます落ち込んだり焦ったりすることにもなりかねません。
そんなときは、意識して別々に過ごす時間を作ることをおすすめします。離れている間は友達に会ったり美味しいものを食べたり、好きなことをしてダラダラしたり、それぞれの時間を過ごしましょう。
離れて過ごす時間は、マリッジブルーの人だけでなくカップル双方にとって貴重なものです。
あらためてふたりの出会い、楽しく過ごした日々、結婚を決めたときの気持ちなど、もう一度思い出してみるのもいいかもしれません。
(4)一人で頑張る必要はないと伝える
マリッジブルーの状態にある人は、そのほとんどが寂しさと孤独を感じています。
原因が何であれ、「誰にも頼れない」「私がもっとちゃんとすればよかった」などと自分で抱え込んでしまうことも少なくありません。
とくに真面目で頑張りすぎる人ほど、上手に他人に頼ることができず、ますます孤独感を募らせてしまうことにもなってしまうのです。
そんな人にパートナーとしてできることは、「あなたは一人で頑張る必要はない、私がここにいる」ということをしっかり伝えることです。
言葉で伝えるのももちろん大切ですし、先にお伝えしたように、じっくり話を聞いてあげたり、心の負担を軽くするために一緒に努力するなど、行動で示すことも大切です。
そうすれば、パートナーが少しでも楽になったと感じてくれたとき、ふたりの関係はこれまでよりもっと深まっているはずです。
まとめ:マリッジブルーと上手に付き合うために
ここまで読んでいただいて、マリッジブルーは決して特別な状態ではなく、結婚を控えた人の多くが経験する一時的なものなのだということがお分かりいただけたでしょう。
そして、その不安をやわらげる方法もいくつかあるのだということにも、気付いていただけたと思います。
「結婚」という最も大切なライフイベントを経験しようとしているのですから、いろいろと不安な思いがあるのは当然のこと。無理に打ち消したり否定的になるのではなく、少しずつ痛みを治めるような気持ちで向き合っていくのが良いのではないでしょうか。
最後にまとめとして、マリッジブルーと上手に付き合っていくために、いくつかアドバイスをさせていただきたいと思います。
結婚にまつわる悩みは「100%解決」することはない
マリッジブルーの渦中にあるふたりは、とてもつらい思いをしていることでしょう。何とかしてこの状況から脱したい、と焦るのも当然だと思います。
しかし結婚や家族、夫婦にまつわる悩みというものは、いつになっても「すべて100%解決できた!」という状況にはなりません。
今だけでなく、結婚してからも必ず、何らかの問題や悩みは次から次へとやってきます。そんな状況にいつも全力で立ち向かっていくなんて、到底不可能ですよね。
「100%じゃなくても、70%解決できればいいじゃない?」という気持ちでいると、そのうちに気にならなくなったり、いつのまにか消滅していたりする悩みも多いと思います。
その点ではマリッジブルーも同じかもしれません。
無理に「何とかしたい!」「このままじゃダメ!」と思わずに、いい意味で妥協して現実と折り合いをつけ、「いずれ時が解決してくれる」という達観する姿勢も、時には大切だと思います。
結婚後のふたりのあり方について考えるチャンス
結婚はゴールではなくスタート、とよく言われます。マリッジブルーは、そのスタートよりさらに前段階の、言ってみれば準備運動のようなもの。
この準備運動のおかげで、スタートする前にさまざまなことを考えることができたということをポジティブに捉えることで、少し心が軽くなるのではないでしょうか。
上でも述べたように、結婚後の生活で同じように困難な状況になることはきっと何度もあります。
将来また何かに悩んだり不安になったりすることがあったら、ふたりの関係はどうあるべきか、どのように乗り越えていったらよいか、少し長い目で考えてみましょう。その時、結婚前にもふたりで困難を乗り越えたという経験は、とても力強い味方になってくれるはずです。
いろんな人に関わってもらおう
マリッジブルーは個人あるいはカップルだけの問題だから、他人にはなかなか理解してもらえない、と思い込んではいないでしょうか。
そんな方にこそお伝えしたいのは、「マリッジブルーになったら家族や友人、専門家など、できるだけ複数の人に関わってもらいましょう」ということです。
すでにお伝えしたことですが、誰かににグチをこぼすだけでもいいのです。ウエディングプランナーに相談して結婚式準備をできるだけ楽に進められるアドバイスを求めるのもいいでしょう。
また、パートナーとふたりでこれからのことを考えたいなら、カップルでカウンセリングを受けるのもひとつの方法です。
ちょっとハードルが高いと感じるかもしれませんが、専門家のアドバイスというものは想像以上に心強いものです。家族・夫婦カウンセリングを扱う心療内科や精神科で相談することができるので、選択肢のひとつとして覚えておいて下さい。
さて、今回は「マリッジブルー」というあまり楽しいとは言えないテーマでのお話でしたが、マリッジブルーを感じている方、そしてそのパートナーの方にも、出口が少し見えてほっとした気持ちになっていただけたのではないでしょうか。

・「マリッジブルー」とは、結婚前に感じる不安、憂うつな気持ち
・マリッジブルーは結婚前の準備運動。パートナーと向き合い結婚後のふたりを考えるチャンス!
・あせらずに、いろんな人に関わってもらいながら、不安な気持ちと上手に付き合っていこう
私の経験と思いが、マリッジブルーに悩むプレ花嫁・花婿の方、そしてそのパートナーの方たちに届きますように、心から願っています!
それでは、またお会いしましょう!WEDDING bests編集部の上松でした。